女医について 2017/5/6 Ⅲ

 きょうは●●と五反田で落ち合った。●●受診後のことだ。今回の受診は収穫が多かった。まず●●の書類を手に入れた。それから24時間対応してくれる窓口を紹介してもらった。さらに、●●として、●●を処方してもらった。実際おれはおれが自覚している以上に異常な状態であるのかもしれない。おれとしては大げさに作り話をしたつもりはなくて、素直に現状を伝えたのだったが、結果としてそれが●●の処方に繋がった。今回対応してくれた女医さんは若くて人当たりもよく、実に気持ちの良い時間だった。おれは古代ギリシアかぶれだから、定期的に●●をしてみたりもする。哲学者たちは●●していたからその模倣である。はたしてその事実を女医殿に伝えたら相当に心配されたのだった。古代ギリシアの哲学者たちはみな●●症だったのだろうか。
 さて、●●と落ち合ってからサイゼリヤに行った。昼食としてミラノ風ドリアとドリンクバーをごちそうになる。大変な感謝の念を抱く。●●は相当に頑張って糧食を腹に詰め込んでいておもしろかった。話もはずんで愉快だった。仲間の若者と未来の計画を練るのはとても胸の躍る活動だ。
 ●●と別れたあと、おれは秋葉原へ降り立った。マルスピュミラの入り口で自撮りしてTwitterにアップする。直後に一斉に白雪姫たちからリプライやファボが来て少し焦った。武装商店という怪しげな店に立ち寄ってみる。模造刀、模造銃の店だ。くおん姫と騎士叙任式のチェキを撮るために、西洋剣を一振りカードで購入する。1万2千といくらかした。おれの財布の紐はおれが思っている以上にどうも相当ゆるいようだ。先週節制に節制を重ねて貯めた1万円はこれによって無くなってしまった。ものを買うと金がなくなる。――そりゃそうだ。
 しかし購入した剣自体はなかなかに気に入った。おれはこいつに「バリザルド」と名をつける。ご存じの通り、デュ・ヴァロン・ド・ブラシュー・ド・ピエールフォンの愛用していた剣と同名である。ラ・フェール伯爵の家伝の剣のほうの名前はなんというか忘れてしまった。というか、名前が作中に出てきた気がしない。ともかくおれの剣は「バリザルド」だ。男の性であろうか、イミテーションとはいえ剣を手に入れたら気分がよくなる。誰彼に見せびらかしたくなる。鞘から刃を抜いたり戻したりして公園で遊ぶ。自撮りする。アキバカルチャーズゾーンあたりでもぷ姫が客引きしているのを冷やかしてみる。しばらく秋葉原をうろうろする。職務質問をやっていたので警察に近づいて観察してみる。職質の矛先がこちらに向いた。(きょうは)後ろめたいものなどバリザルドの他なにももっていなかったので、快く手荷物検査に応じる。あわやバリザルド没収の危機かと思えばそんなことはなかった。箱の中身を見ようともしなかった。むしろ手巻きたばこのほうに強い興味を示していた。匂いをかいで大麻かどうか検査していたのはおもしろい。警察の訓練課程に本物の大麻の匂いを識別するためのプログラムがあるのだろうか。実物の大麻を用いてクンクンやる授業を警察学校でやっているのを想像したら愉快になった。
 職務質問を難なくパスして教会前に行くとくおん姫が立っていた。バリザルドをちょっと見せる。それから他愛もない話をしてマルスピュミラへ吸い込まれる。店内では姫たちがバリザルド、おれのバリザルドに興味を示してくれて嬉しい気分になった。もうすっかりおれは銃士で、おれのバリザルドはおれの本物の愛剣という気がしていた。唯一バリザルドの欠点を挙げるとしたら、鞘が赤いことだ。赤いのはよくない。赤は枢機官側のカラーだ。対する銃士隊はブルー、フランス王室の青である。一度もぷ姫がバリザルドにつまづいてしまってすまない気がした。それからはバリザルドを箱に封印し、隅っこに置いておいてくおん姫との会話に集中した。くおん姫は実際、話もウィットに富み、知的で、本当におれの計画を応援してくれているからありがたい。おれとしてもくおん姫のような実に素敵な女性には、何の下心もなく、素直に成功、幸福を遂げて欲しいと感じる。マルスピュミラを出てからまたしばらく秋葉原をさまよって、結局サイゼリヤに落ち着いた。サイゼリヤでいまこの文章を書いている。●●と合流するのを待っている。