奴隷について 2017/5/27

 37度の熱がある。最近ずっと微熱が続いているようだ。医師に相談しよう。前回早朝覚醒について相談するのを忘れてしまった。だからゾルピデムの処方が続いているが、フルニトラゼパムあたりに変更してほしい。おれは平熱が低く血圧も低い人種だと勝手に決めてかかっていたが、もしかしたら平熱は高いのかもしれない。だから37度でも問題ないのかもしれない。もしそうなら助かる。そうでないのなら問題だ。ここのところずっと体調不良が続いているのだ。苦役がおれの体調を蝕んでいるのか。そうなのかもしれない。現代の苦役は人にとって「それと分からないようにして」苛烈なものになっている。江戸時代なんかはもっとサボりながらみんな仕事をしていたはずだ。そうでない者、苦しみながら仕事をしなくてはならない者は「奴隷」だったはずだ。つまり現代のサラリーマンは「奴隷」と等しいことをやっている。自分が「奴隷」だという自覚を抱けないようにするためのメッセージが街中に溢れている。それが現代の病理ではないのか。

 きょうは健康的に6時に覚醒して、メダカの水替えをやった。青メダカの水がだいぶ濁っていたのだがこれが解消されて気分がいい。底石には白の大理石を用いているが、メダカの色は環境によって変化するようにできているので、彼らが底近くに潜ればきれいなパールブルーになる。水面の方にあがってくるとアナカリスの濃い緑に合わせて渋いネイビーブルーになる。美しいインテリアである。惜しむらくはおれのヒメダカは白い底石と相性が悪い。ヒメダカは濃い黄金色である時が一番美しいので、薄い緋色になってしまうのはもったいない。稚魚が数えきれないほど増えた。昨晩1体遺体を発見した。水で膨れてグロテスクになっていた。稚魚を全員成魚まで成長させるのはプロにだって困難なのだから、死者の出るのを気にしていては仕方がない。それにシーズンはまだ始まったばかりだ。これから梅雨が明けて、どんどん産卵、孵化してくることだろう。おれのバケツのキャパシティから言って、ヒメダカ5匹と青メダカ5匹が無事成魚になればそれでよろしい。簡単なことだ。むしろあまり多くの奴が成魚になったら25Lくらいのバケツの追加購入を検討しなくてはならなくなる。そうしたらそれはそれで、青メダカとヒメダカの混泳をやらせよう。冬になったらヒーターを入れよう。そうした方が連中も活動的で、観賞するのにも面白いし、部屋の加湿効果も期待できる。

 家族からのメールに久しぶりに返信した。7つ離れた兄弟との関係は良好だ。メールの文面にも互いに対するリスペクトが込められていて気持ちがいい。将来について語らうのは楽しいことだ。両親とは少し距離を置きたい。おれももう子供ではないのだ。ほっぽりだされた浮浪者だ。

 朝食は100円ローソンの20円引きドーナツ8つと牛乳。コーヒー。たばこ。スルピリドジアゼパム、フェキソフェナジン、クサノオウ(!)、ゾルピデム(!)。そうだ、ゾルピデムをキメてしまった。カフェインとの相性は抜群で上手くいけば幻覚が見えるとのことだ。おれはそれを期待している。休日くらい夢を見させてくれよ。まあ、先刻承知のことだが、おれには休日なんてない。土日だっておれはおれのビズをやらなければならんのだ。独立するために。奴隷の身分から脱却するために。つまるところ人間の生を取り戻すために。……だのにゾルピデム決めてやがる。こいつは何がしたいんだ。

 昨晩着信が何件もあった。どうも●●の誕生日だったらしい。そのお祝いをしていたそうだ。●●のツイッターで知った。悪いことをした。おれも記憶が飛ぶまで飲みたい気分だったから行きたかった。寝てしまっていた。もったいないことをした。

 近所に大きな病院が出来た。徒歩で30秒くらいのところだ。だから昼夜構わず救急車のサイレンが鳴り響いている。おれはわりかし気にならない性質なので大いにやっていてくれたらいい。

 ――うるせえババア、クソババア! ブルーハーツハイロウズの歌詞はよくおれの心情とマッチする。40,50にもなったサラリーマンはきっとそれなりに仕事が楽しいのだろう。おれだってさんざんやり込んだパワプロクンポケット6をプレイするのは楽しい。そういう気分で苦役に励んでいるのではないか。それに若者をちょっとした言動で威圧したりしてみるのも快楽なのだろう。吐き気がするが、おれの観察ではこの事実はどうも確かだ。おれにも俗にいう「後輩」らしきものができたが、なるほど連中やたらかしこまっているから、こちらがキツい言動をすればビビッと頭を下げてくれるので楽しくなってしまうだろう。おれはそんなことしない。むしろ積極的に「私の言動や振る舞いでストレスを感じていたら気兼ねなくすぐに言ってくださいね(もしそうならさっさと職場を去りますから)」と言うことにしている。また、敬語を忘れない(おれはむしろ「先輩」には敬語を使いたくないが、「後輩」には敬語を使いたい。社会通念に対するプロテストだ)。ソクラテスが若者を愛したようにおれも若者をこそ尊敬する。経験よりもスピードとパワーだ。注意深く観察しないと見えてこない、こうした老人の「攻撃」を可視化して、問題にすることはできないものか。「パワハラ」よりももっとマイルドだが、若者に自殺を考えさせるのには十分なほどの言動、振る舞いというのが存在している。現におれはその被害に遭っている感覚がある。もし奴らの攻撃で癇癪を起こしそうになったら……おれにはひとつ考えがある。泣きながら土下座して「死にます、いますぐ死にます。愛社精神に満ち満ちたおれは今回のこのような失態を重く受け止め、まず死にます。首をくくらせてください。一筆書きます。あなたもサインをしてください。遺書です。『私は会社にとんでもない損害を与えました、つきましてはこのつまらぬ一命をもってして責任をとらせていただきます』と。――ほら、書けました。サインと印鑑を。サインをして下さい。え? バカなことをするなって? バカはどっちだクソババア! おれぁ死ぬんだ、お前たちが言外に死ね、と仄めかすから、常にそんなことをするから、遂にお望み通り死んでやろうってんだ、ババア! サインしろ! てめえがおれを殺すんだ、分かるか、てめえのやり続けてきたことの重さを理解しているか? ひとりの若者を殺すのには十分な攻撃をこれまで繰り出してきてくれたんだぜ、さんざん。サインだ! 一筆書け! 書かねえってか? オーケー、今すぐ電話を貸せ! 社長だ! 株主だ! そういう連中に一筆書かせる! もうおれは後には引かねえ! クソババア思いしれ、人殺しの罪を背負って生きろ! どうせおれが首をくくって3日も立てばケロッとしてるのがお前らの美点なのだろうがな。死ね! 死んでしまえ! だが今回はおれが死ぬ! いいか、死ぬぞ! 見てろ、いまやってやる、やるぞ!」。こんな具合だ。こんなセリフを吐きながら、随所でカッターをもってして己の皮膚を斬ったりしてみるのも一興だ。パフォーマンスになる。「後輩から先輩への謝罪」をとんでもないベクトルに飛躍させるのがおれの計画だ。とことん下手に出て、あげく命まで預けようと提案する。それで相手がひるむようだったら、こちとらの怒りは爆発だ。いまさらなにを言っていやがる。先におれの命を削ってきたのはお前のほうだろう。自分の快楽のために人を徒に威圧しておいて、相手が自殺を考えないとでも思っていたのか。おれは失うものなんてなにもないぜ、イスラム国のスカウトが来るのを待ちわびているような男だ。そんなおれを相手にして今更ひるむ! 許さん、とことんまで追い詰めるぞ。自爆テロ敢行!

 こんな文章を書いていたら熱が上がってしまった。37.2度だ。

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 ところでおれは怠業中、夜の計画やTODOリストを作成したりして時間を有効に使っている。もちろん大衆が読んでも解読できない言語で。この手法はなかなかの発明と思われる。石川啄木のやり方(ローマ字日記)を参考にしたものだ。